「インサイドセールスに興味があるけれど、『やめとけ』という声を見ると不安になる」。転職を検討する中で、こうした口コミに気持ちが揺らいでしまう方は少なくありません。
結論から言えば、「やめとけ」という評判の多くは、職種そのものの問題ではなく、組織の運用体制に起因しています。本記事では、インサイドセールスがそう言われる理由を整理したうえで、向いている人の特徴や、転職前に確認すべきポイントを解説します。営業職としてのキャリアチェンジを考えている方は、20代の営業職転職に特化したYONへ、ぜひご相談ください。
インサイドセールスがやめとけと言われる5つの理由

インサイドセールスに対するネガティブな評判には、いくつかの共通したパターンがあります。まずはその内容を確認していきましょう。
- ・架電件数などの行動量がKPIになりやすい
- ・断られる回数が多く精神的な負担を感じやすい
- ・成果がフィールドセールスの受注に依存する
- ・テレアポと同じ仕事だと誤解されやすい
- ・組織によっては役割が曖昧なまま運用されている
架電件数などの行動量がKPIになりやすい
インサイドセールスの現場では、1日あたりの架電件数やメール送信数といった行動量を評価指標にしている企業が少なくありません。本来インサイドセールスは「見込み顧客との関係構築」が本質的な役割ですが、行動量ばかりが管理されると、単なる作業のノルマ消化のように感じられてしまいます。数をこなすことばかりに意識が向くと、顧客への提案の質が疎かになり、本来の成果にもつながりにくくなります。件数だけを追い求める組織ほど、担当者の疲弊が離職につながりやすい傾向があります。面接の段階で、KPIが行動量重視なのか成果重視なのかを確認しておくことが、入社後のミスマッチを防ぐ第一歩になります。
断られる回数が多く精神的な負担を感じやすい
架電やメールでのアプローチが中心となるため、断られる場面に日常的に直面します。対面営業と異なり、相手の表情や反応が見えないまま断られることも多く、心理的な負担を感じやすいという声もあります。1件の成約の裏に多くの「NO」が積み重なる仕事だからこそ、精神的なタフさが求められる面はあります。断られることを個人の否定ではなく、確率論として捉え直せるかどうかが、長く続けられるかどうかの分かれ目になります。上司やチームが日々のフォローをしてくれる体制かどうかも、働きやすさを左右する要素です。チーム内で成功事例や失敗事例を共有する文化があるかどうかも、心理的な負担を軽減する重要なポイントです。
成果がフィールドセールスの受注に依存する
分業体制を敷いている企業では、インサイドセールスが創出した商談をフィールドセールスが引き継ぎ、最終的な受注につなげます。そのため、どれだけ良質な商談を作っても、フィールドセールス側の対応次第で成果が左右されてしまうことがあります。自分の努力が最終成果に直結しにくいと感じることが、モチベーション低下の一因になるケースもあります。商談の質を評価する仕組みが整っていない組織ほど、この不満は大きくなりやすい傾向があります。商談化率など、自分の努力が正しく評価される指標があるかどうかを確認しておきましょう。
テレアポと同じ仕事だと誤解されやすい
「インサイドセールス=電話営業」というイメージから、単純なテレアポ業務と同一視されがちです。実際には見込み顧客の状況をヒアリングし、商談化に向けた関係構築を行う専門性の高い仕事であるにもかかわらず、この誤解によって仕事の価値が正しく理解されないことがあります。周囲からの「テレアポでしょ」という一言が、モチベーションを削いでしまうという声も少なくありません。次の見出しで、この違いを具体的に整理します。仕事の実態を正しく理解してもらうためにも、両者の違いを自分の言葉で説明できるようにしておくとよいでしょう。
組織によっては役割が曖昧なまま運用されている
インサイドセールスという役割が比較的新しいこともあり、企業によっては明確な役割定義がないまま導入されているケースがあります。マーケティングとの連携が不十分だったり、フィールドセールスとの引き継ぎルールが曖昧だったりすると、担当者の負担が増え、成果も出しにくくなります。「やめとけ」という評判の多くは、こうした運用の未熟さに起因しています。逆にいえば、運用が整った組織を見極めて入社できれば、こうした不満の多くは避けられるということでもあります。
インサイドセールスとテレアポは何が違うのか

「やめとけ」と言われる原因の多くは、テレアポとの混同にあります。ここで両者の違いを整理しておきましょう。
目的が「アポ獲得」か「商談化と関係構築」かで異なる
テレアポは、電話をかけてアポイントを獲得すること自体がゴールです。一方でインサイドセールスは、見込み顧客の課題やニーズをヒアリングし、商談化に向けた関係構築を行うプロセス全体を担います。単にアポを取れば良いのではなく、その後の商談が成立しやすい状態を作ることが本来の役割です。この目的の違いを理解しないまま「同じ電話営業」と捉えてしまうと、仕事の本質を見誤ってしまいます。ゴールの違いを理解しているかどうかで、日々の架電に対する意識も大きく変わってきます。目先のアポ数だけでなく、その先の商談化・受注まで見据えて動けるかどうかが問われます。
扱う情報量と求められるスキルが異なる
テレアポは決められたトークスクリプトに沿って架電することが中心ですが、インサイドセールスは顧客の業界・役職・課題感などの情報を踏まえて、個別にアプローチを組み立てる必要があります。そのため、ヒアリング力や仮説構築力、CRMツールを使った情報管理能力など、テレアポよりも幅広いスキルが求められます。この専門性の高さこそが、インサイドセールス経験者が転職市場で評価される理由のひとつになっています。単純な架電作業ではなく、顧客理解に基づいた戦略的なアプローチができる点が、大きな違いです。日々蓄積される顧客情報をどう活用するかによって、成果にも大きな差が生まれます。
| 項目 | テレアポ | インサイドセールス | フィールドセールス |
|---|---|---|---|
| 目的 | アポイント獲得 | 商談化・関係構築 | 受注・契約締結 |
| KPI | 架電数・アポ獲得数 | 商談化率・パイプライン創出 | 受注率・売上金額 |
| 必要スキル | トーク力・粘り強さ | ヒアリング力・仮説構築力 | 提案力・クロージング力 |
| 年収レンジ目安 | 300〜450万円 | 400〜550万円 | 450〜700万円 |
SDRとBDRという2つの役割がある
インサイドセールスには、マーケティング部門が獲得した見込み顧客にアプローチするSDR(反響型)と、こちらから新規にアプローチをかけるBDR(新規開拓型)という2つの役割があります。SDRは比較的関心度の高い顧客と接するためアプローチがしやすい一方、BDRはより能動的な提案力が求められます。自分がどちらの役割を担うのかによって、日々の業務内容や求められる力は大きく異なります。
データで見るインサイドセールスの実態と将来性

「やめとけ」という声だけでなく、データから見える実態も踏まえて判断することが大切です。
SaaS企業の約98%がインサイドセールスを導入している
スマートキャンプ株式会社『インサイドセールス業界レポート2024-2025』によると、調査に回答したSaaS企業の約98%がインサイドセールスを導入していると回答しています。これはインサイドセールスがもはや一部の先進的な企業だけの取り組みではなく、SaaSビジネスにおける標準的な営業手法として定着していることを示しています。今後もテクノロジーの進化とともに、インサイドセールスの重要性はさらに高まっていくと考えられます。裏を返せば、この職種の経験を持っていること自体が、SaaS業界への転職において大きな武器になるということでもあります。
国内全体の導入率はまだ4割程度で伸びしろが大きい
SaaS業界での高い導入率とは対照的に、業界を問わない国内企業全体での導入率は、HubSpot Japanの調査(2021年12月時点)で40.4%にとどまっています。前年(2020年12月時点)の36.4%からは7.0ポイント上昇しており、緩やかに浸透が進んでいる段階といえます。この水準は、日本国内においてインサイドセールスという営業手法自体が、まだ発展途上にあることを意味しています。裏を返せば、今後導入企業が増えていくフェーズにあり、経験者としての市場価値も高まっていく可能性がある職種だといえます。今のうちに経験を積んでおくことが、将来的なキャリアの選択肢を広げることにもつながります。
キャリアパスが複数用意されている職種である
インサイドセールスは、経験を積んだ後のキャリアパスが複数用意されている点も特徴です。フィールドセールスへ進んで対面での提案力を磨く道、カスタマーサクセスへ進んで契約後の顧客支援に関わる道、マネージャーとしてチームを率いる道、さらにはセールスイネーブルメントとして営業組織全体の底上げに関わる道まで、多様な選択肢があります。ひとつの職種に留まらず、営業組織のさまざまなポジションへ広がっていける点は、他の営業職にはない特徴のひとつです。
| キャリアパス | 特徴 |
|---|---|
| フィールドセールス | 対面での提案力・クロージング力を磨く |
| カスタマーサクセス | 契約後の顧客支援・アップセルに関わる |
| インサイドセールスマネージャー | チームマネジメント・KPI設計に携わる |
| セールスイネーブルメント | 営業組織全体の仕組み化・育成に関わる |
なお、同時対策キーワードの中では「インサイドセールス キャリアパス」がCPC15.15円と最も高く、キャリアの広がりへの関心の高さがうかがえます。
インサイドセールスに向いている人・向いていない人

自分の特性がインサイドセールスに合っているかどうかを確認しておきましょう。
向いている人の特徴
相手の話をじっくり引き出すのが得意な人、断られてもすぐに気持ちを切り替えられる人、数字を分解して行動を改善できる人は、インサイドセールスで力を発揮しやすい傾向があります。また、電話やメール、チャットなど文章でのコミュニケーションに抵抗がなく、CRMツールへの記録・共有をこまめに行える人も向いています。対面での駆け引きよりも、論理的にアプローチを組み立てるタイプの人に適した仕事だといえます。日々の架電結果を振り返り、次のアプローチに活かせる改善思考の持ち主にとっては、成長を実感しやすい環境でもあります。
向いていない人の特徴と対処法
対面でのコミュニケーションで力を発揮するタイプの人や、短期間で目に見える成果を確認したいタイプの人は、インサイドセールスの間接的な成果の見え方にストレスを感じやすい傾向があります。ただし、これは「営業そのものが向いていない」ということではありません。同じ営業職の中でも、対面での提案が中心となるフィールドセールスなど、別の営業スタイルであれば力を発揮できる可能性があります。自分に合った営業スタイルを見極めることが重要です。
未経験からインサイドセールスに転職するには

インサイドセールスは未経験者の採用も積極的に行われている職種のひとつです。未経験からの転職を考える際は、以下の2点を押さえておきましょう。
①未経験から評価されやすい経験を「転職市場の言葉」に翻訳する
インサイドセールス未経験者向けの求人は多く出ていますが、選考を通過するには、過去の経験を評価される言葉に言い換える工夫が必要です。販売・接客経験があれば「顧客対応力・ヒアリング力」、コールセンター経験があれば「電話でのコミュニケーション力・粘り強さ」、事務経験があれば「正確な情報管理力」、個人営業の経験があれば「新規開拓の実行力」として、それぞれ翻訳できます。同じ経験でも、伝え方次第で選考通過率は大きく変わってきます。自分では気づいていない強みを言語化するために、第三者に相談することも有効な手段です。
| 前職の経験 | インサイドセールスでの評価軸への翻訳例 |
|---|---|
| 販売・接客 | 顧客対応力・ヒアリング力 |
| コールセンター | 電話でのコミュニケーション力・粘り強さ |
| 事務 | 正確な情報管理力・CRM運用への適性 |
| 個人営業 | 新規開拓の実行力・目標達成への行動力 |
②求人を選ぶときに確認すべき3点をチェックする
インサイドセールスの求人は「未経験歓迎」と書かれていても、実態は企業によって大きく異なります。KPI設計が架電数中心なのか、パイプライン創出(商談化)を重視しているのかは必ず確認しましょう。また、フィールドセールスとの分業体制が明確かどうか、評価制度にインセンティブが組み込まれているかどうかも重要な確認ポイントです。これらは求人票だけでは分からないことが多く、面接や面談の場で直接質問する姿勢が欠かせません。
インサイドセールスの年収と上げ方

インサイドセールスの年収水準と、キャリアの中でどう年収を伸ばしていけるかを見ていきましょう。
未経験入社時の年収レンジ
求人ボックス「給料ナビ」の調査によると、インサイドセールスの平均年収は491万円で、営業関連職種の中でも比較的高い水準にあります(他の調査では350〜540万円程度とする例もあり、企業や集計時期によって幅があります)。未経験入社の場合は350〜450万円程度からのスタートとなることが多く、経験や成果に応じてインセンティブが加算されていく給与体系が一般的です。同じ未経験からのスタートでも、企業のインセンティブ設計によって、成果を出した場合の年収の伸び方は大きく異なります。入社前に平均達成率や中央値年収まで確認しておくことで、入社後のギャップを減らすことができます。求人票の想定年収だけを鵜呑みにせず、実態を確認する姿勢が欠かせません。
年収を上げるための2つのルート
年収を伸ばす方法としては、フィールドセールスやカスタマーサクセスといった職種への転換によって商材理解や提案スキルを広げる方法と、インサイドセールスの中でマネジメントを担うことでチーム全体の成果に責任を持つ方法の2つが考えられます。どちらのルートを選ぶかは、自分がプレイヤーとして極めたいのか、組織を動かすことに関心があるのかによって変わってきます。営業職全体の年収の上げ方については、既存記事「営業 年収 上げる」もあわせて参考にしてください。
弊社YONでご支援したインサイドセールスからの転職事例

インサイドセールスへの転職をお考えならYONへご相談ください。【事例差し替え予定:SaaS・インサイドセールスの支援事例が入り次第、本セクションを差し替えます】弊社では25歳・高卒の方が、営業成績だけでなく「成果を出すための再現性」を言語化することを徹底し、面接対策を20回にわたって実施しました。その結果、内定率3%という急成長メガベンチャーのフィールドセールス職への転職に成功。固定給400万円+インセンティブ最大1,100万円だった年収から、固定給800万円+インセンティブ最大3,000万円程度の企業への転職を実現しています。
| エージェント名 | YON |
|---|---|
| 特化型 | 営業職特化 |
| 20代営業特化 | 〇 |
| オンライン対応 | 〇 |
| 特徴 | 平均10〜15回の面談でキャリア設計を支援 |
インサイドセールスに関するよくある質問

インサイドセールスの離職率は高いですか
職種固有の統計は限られますが、KPI設計や分業体制が未整備な組織ほど離職につながりやすい傾向があります。会社選びの段階で運用体制を確認することが重要です。
インサイドセールスは1日に何件電話しますか
企業やKPI設計によって異なりますが、架電数を重視する組織では1日50〜100件程度を目安にしているケースもあります。ただし、件数よりも商談化率を重視する組織も増えています。
インサイドセールスの平均年収はいくらですか
求人ボックス「給料ナビ」によると、インサイドセールスの平均年収は491万円です。未経験入社の場合は350〜450万円程度からのスタートが一般的です。
インサイドセールスの経験は次のキャリアに活きますか
活きます。ヒアリング力・仮説構築力・CRMを活用した情報管理力は、フィールドセールスやカスタマーサクセス、営業企画など幅広い職種で評価される汎用性の高いスキルです。
まとめ:「やめとけ」は組織の運用次第で、職種そのものの問題ではない

インサイドセールスが「やめとけ」と言われる背景には、KPI設計の偏りやテレアポとの混同、役割定義の曖昧さといった、組織側の運用課題が多く存在します。職種そのものはSaaS企業の98%が導入するほど定着した営業手法であり、キャリアパスも複数用意されています。大切なのは、会社選びの段階でKPI設計や分業体制を見極めることです。
インサイドセールスへの転職を検討している方は、20代の営業職転職に特化したYONへ、ぜひご相談ください。